生きているキセキ 〜The miracle of being alive〜

私と娘、息子、そして天国の夫のハナシ。

亡くなる一週間前

その日は私の血液検査の日だった
抗がん剤投与中にある定期的な検査だ
検査したその足でお父さんの病院へ向かった

その日のお父さんは
私の言ってることがよく分かる感じだった

音楽聴きたいひとー!
と言うと右手をあげた
2人でヘッドホンを一個ずつつけて聴いた

私はお父さんの右手を握っておしゃべり

お父さん、こんな古い病院でイヤでしょ?
ごめんね
今すぐは無理だけど
必ずうちに帰ろうね
また4人で暮らそうね
と泣きそうになるのをガマンしながら話した

そしたら
突然、手を離して
私の左脇の辺りに触ってきた
顔をくしゃくしゃにして
目には涙が溜まっていた

お父さん、お母さんの言ってること
分かるんだね?
そうなら、トントンってして
と言いながら
私はガマン出来ずに泣いていた

そしたら、お父さんが
私の二の腕をトントン、トントンって何度も何度も叩いてくれた
私は
涙が止まらなくなってしまった

帰る時にもバイバイと言うと
手を振ってくれた

こんな風に覚醒が良い時が
少しずつ増えて来ていたのに…


お父さんは何故死んでしまったのだろう


私の治療が終わって
広いところへ引越したら
お父さんを連れて帰ろうと思っていたのに

まさか
こんなに早く死んでしまうなんて
全然考えていなかった

ありがとうも
ごめんねも
いっぱい言いたかったのに…

お父さんは自分がもう永くないって
わかっていたのかな
もうダメだ、頑張れないと思ったのかな…

転院して、わずか9日で…

お母さんは、病院に通う気満々だったのに
抗がん剤治療が終わったら
また毎日会いに行こうって思ってたのに

思い出すと残念でしかたがない


今日と同じ日はないのだね
良くも悪くも…

明日が必ず来るとも限らないのだ

だったら今日を一生懸命に生きなきゃね

一生懸命かぁ…

今の私に一番足りないモノだ(-_-)

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