思い出したら涙
去年4月、お父さんは二回目の転院をした。これが最後の病院になった。
転院して3日目、亡くなる8日前の出来事。
今日、何故か思い出した。
あまりにも汚なくて、手の行き届かない病院に入院してるお父さんがかわいそうで…
『お父さん、いつか一緒に暮らそうね。お母さんの治療が終わって、もう少し広い所へ引越して、まだ先になっちゃうけど、ごめんね』と泣きながら言った私。
そしたら…
お父さん、眉間にシワを寄せてクシャクシャの顔になって、握ってる私の手を離した。
離した手をゆっくり伸ばして、私の左の胸と脇くらいの所に手をかけた。
『なぁに?お父さん、お母さんの言ってること分かるの?分かるならトントンてして』
そしたら、トントントントンって。
その後もしばらく手をかけたままだった。私は涙が止まらなかった。
お父さんは何か言いたかったのだと思う。もう、頑張れないよ、疲れたよって言いたかったのかな。
1年もの間、お父さんは本当に頑張ったもん。
倒れてから4回も手術して、一時は人工呼吸器をつけたりしたけど、少しずつ良くなって。
転院の日だって、内緒話みたいに小さな声だったけど『おはよう』って言ってくれた。
そんなお父さんが、なんで突然死んじゃったの?
おかしいよ。
これからもっともっと良くなるに決まってたはず。
あの病院じゃなきゃ、お父さんは生きてたに違いない。
あんな病院に入院させなければよかった。
お父さん、
ごめんね。
本当にごめんなさい。
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