生きているキセキ 〜The miracle of being alive〜

私と娘、息子、そして天国の夫のハナシ。

連れていってやる!


入院中、父が言っていたことがある


長崎だけは行っていない

だから行きたいって


父は母と出逢う前

貨客船に乗って働いていたらしい

その時に

長崎だけは行かなかった

ということみたいだ


私は父の余命を聞いてから

出来ることなら

家族みんなで旅行に行きたいと思っていた

私の治療仲間と行ったあの宿に泊まりに行きたい!

と考えていた

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じいちゃん、

じいちゃん長崎に行きたいって言ってたじゃん?

長崎は、ちょっと遠すぎるから

難しいかな…

でもさ、みんなで温泉に行こうよ!

手術して、体調が落ち着いて、食事が摂れるようになったら!

ねっ!行こうよ!



そしたら父が…


うん

みんな連れてってやる

行こうな


と微笑んで言っていた


連れて行ってやるって

私に連れていってくれ

じゃない

父が連れて行ってくれるって…


あの頃は

手術が出来て、食事が摂れて

癌の治療は無理でも

痛みは薬でコントロール出来て

短くても今年いっぱいは

生きていられると

信じていた


それなのに

日を追うごとに病状はみるみる悪化して

手術は難しい

する意味がない

手術するしないに関わらず

週単位での生存も難しい

日単位だと

先生に言われてしまったのだ


父には時間がなさ過ぎた

10月21日に関西から来て

1ヶ月も経っていないというのに

あの日

居なくなってしまった


今、冷静に考えてみたら

本当に短過ぎた


嵐のように現れて

嵐のように去っていってしまったね


じいちゃん…

お疲れさま

しんどかったよね

頑張ったね


私や妹や弟に

親孝行のマネごとされてくれた

親孝行なんて

とても言えないよ

だから

マネごと


だけど…

私は嬉しかった

ほんの少しの間だったけど

嬉しかった


だから

じいちゃんには感謝してるよ


じいちゃん…

ありがとう


本当に本当に


どうもありがとう


温泉

行きたかったね…。


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