時間よ、とまれ
今の父の嗅覚はすごい
特に食べ物に関しては驚くほどだ
昨日もそうだった
患者さんたちのお昼ごはんの食器が廊下のカートに置いてあったからだろう
なんだ?今日は酢飯みたいな匂いがするなぁ
って
確かに
お寿司屋さんのような匂いがした
そして今日
なんか生臭いな
煮魚か?
って
私がランドリーに行く時
カートの残飯を見たら
当たり!
赤魚だろうか?
魚の煮付けがあった
絶食になって、もうすぐ一ヶ月
とにかく食べたくて仕方がない父
白飯にたくあん
あんぱん
しめ鯖
いかそうめん
言い出したらきりがない
だから
食事時になると
匂いが気になってしかたがないのだ
かわいそうに(-_-)
いろんな話をしてて
話が途切れると父がいう
ホント…
申し訳ないな…
迷惑かけて…
と泣いてしまう
その度に
迷惑なんかじゃないよ
私は弟やみんなは
じいちゃんに会いたいから来てるんだよ
昔の話したり
冗談言って笑ったり
毎日楽しいもん!
泣かれると辛い
私まで泣きそうになる
泣くのをガマンしながら話すのって
疲れるし
暑い^_^;
そしてまた
うちわでごまかすのだ
今日は爪を切って
入れ歯を洗ってあげた
なんかね
お父さんのこと、思い出したよ
爪切ったり
ヒゲ剃ったり
顔を拭いたり
お父さんは喋れなかったけどね
私がずっとひとりで喋り続けてた
お父さん!
と言うと
同室の患者さんが
はい!
と応えてたっけ^_^;
呼ぶのが申し訳なくなった
この話
父に話して笑った
そう考えれば
父はまだいいのかもしれない
食べれないけど
意思表示は今のところ
ちゃんと出来るから
いや、
それはそれで残酷なのかな…
今日は採血したらしい
その結果で
手術のことが決まるような気がする
父の足は
日に日に浮腫みが増している
少しずつ
少しすつ
確実に悪くなっているのが分かる
怖い…
時間が止まればいいのに…
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