生きているキセキ 〜The miracle of being alive〜

私と娘、息子、そして天国の夫のハナシ。

涙でありがとう

私は父に似ているところがたくさんある


面長で、だんごっ鼻

唇は厚い


まゆ毛の形

手の形や爪の形

そして

毛深いところまで同じだ^_^;


入院中、父によく言われた

お前はブサイクだな〜笑

俺に似てしまってかわいそうに


失礼なこと言うよね〜

じいちゃんのせいじゃん笑


なんて、よく笑った


動物が好きなのも同じ

暑いのが嫌いなのも

ちょっとお調子者で、涙もろいのも

同じだ


父と私は

普通の父と娘の関係は築けなかった

けれど

父と母が離婚するまでの10年間は

どこにでも居る、普通の親子だった


なにをもって、普通と言うのかは分からないけれど

離婚後の生活からしたら

やっぱり普通だったのだと思う



父がもう長く生きられないと分かった時から

私はずっと心に引っかかっていたことがあった


父に謝りたいこと

疑問に思っていたこと

それと

ある思い出のこと


父が生きている間に必ず言おうと、聞こうと思っていた


父の入院中

毎日夜になると

一人になると

色々な想いが頭をよぎって

涙があふれた


明日こそは謝ろう

そう思っていても

父を目の前にすると泣きそうになって

言えなかった

あまり、父の前で泣きたくなかったから

でも

ちゃんと謝った

結局、泣きながらだったけど

謝れた


父に私の想いをどう伝えたら良いか

考えた

そしたら

ギリギリ泣かないで言える

ちょうど良い言葉が見つかった


今日もありがとう

楽しかった


これだけは

毎日言えた

これ以上、長いと泣いてしまう

だから、本当にギリギリの

精一杯の私の気持ちだった


毎日、帰り際に

そう言って握手して、病室を出た

父に見えないところで泣いた

泣かずにはいられなかった


ごめなさいでも

安心出来たでも

ありがとうでも

真剣に父に向き合い、話そうとすると

涙が出た


今思うと

病院で父に会うと

私はふざけてばかりだった

くだらないこと言って、笑って

ペラペラと喋りまくっていた


真面目な話なんて

本当に少ししかしなかったかもしれない

だって

泣けてきて、喋れないから


私が泣くと

父も必ず泣くから

父に悪くて…


嬉しそうに微笑む父の顔

イタズラっ子のように舌を出す父の顔

眠っている父の顔

痛みに歪む父の顔


どんな父の顔をみても

涙が流れた




父が亡くなるまでの間

ありがとう


と、お互いに、自然に言い合えるようになっていたのは

良かったと思う


ありがとう


この言葉には

私の

父の

色んな想いがたくさん込められている



ありがとう…

本当は

もっともっと言い合いたかった


じいちゃん…


どうもありがとうね。


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