回顧録11月15日，16日
そうを病院へ
9時過ぎに着いて
診察が終わったのが12時半をすぎていた
その間にも
妹からは父の様子について、何度もメールが来ていた
薬を増やした
でも辛そうにしてる…
先生が
そろそろ薬を変えてあげた方が良いかもしれないと言って来たって
その薬は
点滴ではない、少し強い鎮痛薬と
それより更に強い薬
この薬を使うと
眠ったまま、目を醒まさない可能性もある
だから、使うかどうか身内できちんと話し合って返事をしてと言われたらしい
私はそうを連れて家に帰ったあと、
娘と息子を連れて、すぐに父のところへ向かった
父はずっと、う〜んと言って辛そうにしていた
痰が切れずに呼吸も苦しそう
母や弟夫婦、姪と
父がお気に入りの彼と
全員が集まったところで
まずは弱い方の鎮痛薬の注射をしてもらった
注射して15分位で効果が出てくると言われていたのに
父は変わらず辛そうだった
考えた
全員でよく考えた
そして
次の注射をしてもらうことに決めた
それが18時半頃だった
10分位して、父は眠りだした
薬の効果は6時間程
薬が切れた時に
また辛そうにするか
そのままずっと目を醒まさないか…
看護師さんが
今のうちに交代で食事したり、休んでおいた方が良いと教えてくれた
私は妹の運転で、家に戻り
そうに薬を飲ませ、野菜をあげた
トイレには少しだけど、オシッコと小さめのウンチが出ていた！
少しよくなって来たみたいだった
その後
すぐに病院へ戻った
父は穏やかな表情で寝息を立てていた
21時15分くらいだったと思う
弟を残して、みんなで食事に行くことにした
父にみんなが声をかけた
ちょっとごはん食べて来るね！
また戻るからね！
弟もタバコを吸いたいからと
一階に一緒に下りた
弟以外は車とタクシーで
ファミレスに向かった
私と子どもが先に着いて
妹たちを待っていた
入口を見ると妹たちが
ちょうど入って来たところだった
と同時に私のiPhoneが鳴った
弟が…
じいちゃんが息をしていない！
はっ？
なに？
すぐに戻るから！
病室に戻ったのが21時半ちょっと過ぎだったと思う
父の顔をよく見てみた
息が聞こえなかった
じいちゃん！
じいちゃん！
と触っても
手を握っても
父の呼吸は聞こえなかった
動かなかった
でも
さっきと同じように温かい
顔も頭も手も
温かかった
病室を出る時
手を握って声をかけた時は
ちゃんと寝息がしていた
息を吐く度に
う〜んって
声も聞こえていたのに
ほんの15分足らずなのに
弟はタバコに火を着けたけど
あまりの寒さに
すぐに消して戻ったって
ほんの5、6分だって
息の音が聞こえないと思って
両手で父の頬にさわって
じいちゃん！
と呼んだら
舌が動いたって
看護師さんを呼びに行って
また同じようにして
呼んだら
また、舌が動いたって
看護師さんが
きっと応えてくれたのでしょう
って
患者の中には
家族が居なくなった後
急に息を引き取る人もいる
居なくなるのを待っていたかのように
突然亡くなることがある
と教えてくれたらしい
父は
私たちに心配かけたくなかったのか…
大丈夫
ゆっくりしてきなさい
じいちゃんも
ゆっくり眠るよ…
とでも言いたかったのだろうか
私たちが居る間は
頑張って
頑張って
辛くてもガマンしていたのかもしれない
そんな…
そんな気を遣わなくてもいいのに
じいちゃんはバカだよ
みんなの前で
堂々と終わって良かったのに！
じいちゃんのバカ…
じいちゃん
私の声、ちゃんと聞こえた？
よく頑張ったね
お疲れ様
毎日、楽しかったよ
どうもありがとう
ありがとうね
また会おうね！
って、私が言ったの聞こえた？
みんな
じいちゃんとのお別れが悲しくて
寂しくて
たくさん涙を流したよ
お疲れさまって
頑張ったねって
みんな言ったんだよ
ねぇ
じいちゃん…
みんな
じいちゃんが大好きなんだからね
ずっと
ずっと
忘れないから
2日前に
弟がみんなのこと忘れるなよ！
と言ったら
じいちゃん
わかった
って言ったって
だから、私たちも
わかった！だよ
忘れないよ
いつか
必ずまた会えるから
だから寂しくないよね？
大丈夫だよ
もう痛くないでしょ？
辛くないでしょ？
じいちゃん
お疲れ様でした
大好きなじいちゃん…
本当に
どうもありがとう
ゆっくり
ゆっくり休んでね
22時35分永眠
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