生きているキセキ 〜The miracle of being alive〜

私と娘、息子、そして天国の夫のハナシ。

回顧録 11月14日

朝から父のところに行っていた

お昼すぎに一旦家に戻り

病院に泊まる為に準備していた

でも体調が悪くて、泊まりは断念


この夜、妹や弟が父のところから帰宅した後のこと…

弟に看護師さんから電話がきた

父が

もう、ダメかもしれない

みんなに会いたい

と言っている

だから集まってあげてくださいと


深夜になり

私たち兄弟や母

弟の奥さん

妹の娘と彼

私の娘と息子

が順に集まった


父の意識レベルは

かなり不安定になっていた

常に

う〜ん、う〜ん

と苦しそうな声を出したり

うわ言を言ったり

それでも

ところどころで普通に会話が出来たりもした


この頃から鎮痛剤の量を増やしていった

辛そうにしていたら

私たちが点滴のボタンを押す

押すと臨時追加で薬の量が、その時だけ多く流れるようになっていた


追加して少しの間だけは

静かに眠っていたりしたけれど

またすぐに顔を歪めたり、声をあげる

その繰り返しだった


父が自ら

もうダメかもしれない

みんなに会いたい

と言ったのは、多分父が本当にしんどくて

もうすぐ亡くなると感じたのだろう

意識の状態が悪い中でも

そう感じ

その想いを看護師さんに伝えたのだ



父がお気に入りの姪の彼が

父に近づいたら

彼の顔を見つめて、手を伸ばしてた

彼の手をずっと握りしめてた


父から彼に話しかけたりは出来ないけど、彼が来たことを告げると

うん、うんとうなずいてた

それまで、眉間にシワを寄せて辛そうだった表情が

みるみる穏やかに変わっていった


彼の声が聞こえる度に

ニコっと微笑んだりして

とても嬉しそうにしていた


みんな明け方まで父のそばで過ごした



弟の嫁が中心になりみんなで折った千羽鶴は完成して病室に飾られていた

それぞれが持って来た父との写真を父がよく見つめる天井に貼った


思いつくことは何でもしてみた



もう父には

残された時間は本当に少ないのだと

改めて感じた日だった


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