生きているキセキ 〜The miracle of being alive〜

私と娘、息子、そして天国の夫のハナシ。

私に出来ること

出来ないことを数えて落ち込むより出来ることを見つけてやる。



テレビでやっていた。

ある日、両足が麻痺してしまったチンパンジー。

チンパンジーは人間の三歳児くらいの知能があるらしい。

そのチンパンジーは、ある装置のスイッチを押すとおやつが出てくるのを知っていた。教えられていた。

足が麻痺するまでは、スイッチを一回押して、おやつを取りに行き一つ食べる。

日にそれを何度も繰り返してた。

足が麻痺してから、しばらくは同じようにしていたのに、ある日…

スイッチを一回押して、おやつが一つ出る。でも取りに行かない。もう一度押す、もう一つ出る。また押す、また出る。

何回もスイッチを押してから、溜まったおやつを一度にまとめて取りに行った。すごい、学習能力。


これは、チンパンジーの知能の高さを示した結果なのかもしれない。

でも、それだけではないそうだ。

動物は、過去を振り返ったり悲観したりしないらしい。

全ては今なんだって。

今、どうすればいいのか。

現状を受け入れて行動する。


考え方によっては、過去を覚えていない、思い出せないだけとも取れるけど、私はそうではないと思った。

すごく前向きだと思った。偉いと思った。

人間は、前はあーだったのに、今はこうだ。

とか過去を思い悲しくなったり、悔しくなったりする。もちろん私も。


がんになってしまったことは、もうどうすることも出来ない。変わらない。

お父さんが死んでしまったことも、やっぱりどうすることも出来ない。

悲しんでも、後悔しても変わらない現実。

だったら、今を見て何が出来るかを考えるしかないのだと思う。

ただ、私はチンパンジーではないから、がんになる前の私や生きていたお父さんのことを、しっかり覚えているし、忘れることは出来ない。

それでも前を見て、前に進む。

それは、人間だから出来ることなのかな…

チンパンジーでもなく、人間でもない?

私はいったい何なんだろう?


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