お父さんの声
今、病院に向かうバスの中。
去年の入院を思い出した。
あの頃はお父さんも入院中で、倒れて半年経ち状態も安定してきた時だった。
私が乳がんになり、手術をすることなど全てお父さんには言っていた。
ただ、お父さんが理解したかは分からない。
でも、乳がんであることをお父さんに言った時、お父さんは私の目を見て顔を歪めた。それを見て私は、お父さんはちゃんと分かってると感じた。
だから、心配をかけて申し訳ないと思ったりもした。
今はもう、この世には居なくなってしまったお父さん。
だけど、私には聞こえる気がする。
「お母さん、◯◯◯達のことを頼んだぞ!がんばれ!」
娘たちには、もう私しか居ないのだから。
私は、辛くても悲しくても、頼りにされてるからには何としても頑張らなければならない。
それが私の生きる意味なんだと思う。